『ハンズ・オブ・ラヴ 手のひらの勇気』

アメリカの実話をもとに作られた短編ドキュメンタリー『Freeheld』(2008年:アカデミー賞短編ドキュメンタリー部門受賞)を
ベースに作られた映画で、日本では今年(2016年)の11/26から公開されました。
主演は『アリスのままで』でアカデミー賞主演女優賞を受賞し、『キッズ・オールライト』でビアン(バイ)役で出た
ジュリアン・ムーアと、『インセプション』や『JUNO(ジュノ)』に出演、同性愛者をカミングアウトしたエレン・ペイジです。

最初はそこまで期待していなかったのですが、今まで観たLGBT関連映画で一番泣いてしまいました。
今までレズビアン映画だけでも30本以上は観ていますが、1番いい作品なのではないかと思います。

ストレートの人でも感動はできると思うのですが、直近のアメリカの同性婚合法化の時代背景や、周囲を取り巻く人々からの反応、
二人の抱える課題など、LGBTの当事者ならリアルに感じられるものが多く、より入り込めるかもしれません。

少女漫画的なラブストーリーではないものの、まっすぐなメッセージのある愛の話なので、特に社会派の人にお勧めです。

◆ざっとあらすじの紹介———————————————————————
エレン・ペイジ演じるステイシーは年の離れたローレル(ジュリアン・ムーア)と恋に落ちます。
二人は家を買い一緒に住み、同性パートナーシップ登録も行います。
幸せな生活が続くと思われた矢先ローレルは49歳の若さで進行性のがんを宣告されます。
パートナーと一緒に住んだ思い出の詰まった家を彼女に遺してあげたいという思いで、
ローレルは自分の遺族年金の受給権をパートナーに渡せるよう訴えを行います。
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当時(2005年~2006年あたり)まだアメリカでも同性婚は認められていません。
ストレートなら当然受けられるはずの権利が同性愛者というだけで受けられないのは不当であるとして
郡政に直訴するのですが、税金の無駄遣いだとして議会にはなかなか相手にされません。

その話を取材したメディアから火が付き、同性婚の権利を推進する団体が二人のもとに訪れ、
協力を要請してくるのですがそこでの人間模様の描き方なども超リアルでした。

ステイシーの「二人のことだからそっとしておいて欲しい」という気持ちもよくわかるし、
同性婚推進派の意見もこういうゲイの人いるいる~という感じで面白い。

またローレルの「結婚が欲しいわけではなく平等が欲しい」という強い思いにもすごく共感できました。
同性婚ではなく平等をというのはもしかしたらストレートの人にはその違いが
微妙に伝わらないのかもしれませんが、私はとてもしっくりきました。

いつかは死に別れるというのもLGBTにとってはリアルな現実であると同時に、
日本ではパートナーをこういう形で守れる制度もまだありません。
そんな思いをする人をなくしたいと立ち向かった人たちがアメリカでいたこと、
そしてそういう人たちが切り開いたからこそLGBTの今があることは忘れないでいたいです。

東京では12/23までしかやっていないのですが、チャンスがあればぜひ観に行ってみてください。
カップルでもシングルでもとても感動できると思います。

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